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認知症の症状別の具体的ケア

徘徊や弄便、異食、暴力行為などはいっけん何の意味も目的もない「問題行為」と捉えられ、制止または禁止されがちです。しかし、このような行動の裏には患者さんなりの目的や意味、願いがあります。その目的や意味に合わせた行動が上手くできない日常生活障害と考えると、お世話の方法が見えてくるでしょう。

弄便

「弄便」という行為だけをみると明らかに異常ですが、そこには何かしらの理由があるはずです。オムツに排便してしまった(便失禁)がために気持ちが悪くなり、自分で何とかしようとしてみたものの上手くいかず、結果的に手や衣類、寝具、周囲を汚してしまった・・・。また、便が出たという感覚がなくなり、さらには便を便として認識できず、便を舐めたり、丸めたりという行為に及んでいる可能性もあります。いずれの理由にしても排便習慣やトイレでの後始末に配慮することで、弄便を防ぐことも可能です。

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徘徊

いっけん何の当てもなく歩き回っているようにみえますが、本人には「家に帰りたい」「探し物をしている」などの理由があります。その気持ちをくみ取り、一時的にでも協力してあげてください。例えば、家に帰りたいと言っているのならば「一緒に行こう」と家の周囲をグルッと回るだけで気が済むこともあります。また、探し物をしている場合は本人と一緒に探したりして、患者さん本人の気持ちを理解することが大切です。なお、徘徊は事故やケガ、行方不明などの危険性もあるので十分注意しましょう。

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帰宅願望(夕方症候群など)

夕方になると決まってソワソワし、「家に帰る」といって帰り支度を始めます。自分の家にいるのに、なぜ「家に帰る」と言うのか・・・それは認知症の方がいう「家」とは生まれ育った家、あるいは自分が若かりし頃に住んでいた家を意味するからです。そのため否定したりせず、その気持ちを受け止めてあげてください。「家に帰りたい」と言い出したら、一旦は「そうですよね」と受け止め、それから「ご飯だけでも食べていってください」「今日はもう遅いから泊まっていってください」などと気持ちを別のことに引き付けたり、一緒に外出して満足させたりするといいでしょう。

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失禁

排泄の失敗は主に「尿失禁」から始まりますが、その時点で「認知症によるもの」と決め付けてはいけません。もしかしたら泌尿器系の病気(膀胱炎など)が隠れているかも知れないので、まずは確認してください。万が一、それが原因であれば治療によって改善するケースも多々あります。それ以外の失禁に関しては「お手洗いの場所がわからなくなる」ことから始まり、特に夜間は尿意があって目を覚ましても暗くてよく見えず、ウロウロしているうちに失禁してしまう・・・というケースが多いようです。その段階であれば、夜間は廊下の電気をつけっぱなしにしておくなどの工夫をしましょう。次第に衣類の着脱が素早く出来ないようになり、せっかくお手洗いに辿り着いても衣類や便器の周辺を汚すようになります。この段階になったら着脱のラクな衣類にしたり、少し時間の余裕をみながら声をかけたりしましょう。やがて尿意があってもどこに行けばいいのか、どうすべきなのか、わからなくなって失禁する・・・という時期がやってきます。その頃になると便失禁も起こりがちなので、決まった時間にお手洗いにつれていき、排尿や排便を習慣付けるようにしてください。

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睡眠障害

夜になってもなかなか眠らず家中をウロウロしたり、夜中に何度も起こされたりと、介護する側にとっては心身ともに負担の大きい行為です。しかし、本人には「昼寝をしたから眠れない」「お腹が空いた」などの理由があります。高齢になると睡眠のサイクルが短くなり、健康な高齢者なら生活に合わせてコントロールすることもできますが、認知症になるとそれができません。日中の運動量が少なくなると、その分眠りも浅くなるので、一緒に散歩をしたり、家事を手伝ってもらったり、デイサービスを利用したりして運動量を増やすようにしましょう。また、ぐっすり眠るためには就寝前の足湯もオススメです。それでも落ち着かないときは隣で家族が横になり、しばらくすると安心して眠る場合もあります。また、認知症になると満腹中枢が鈍くなることもあり、食事をしても寝る頃には空腹感を覚えて眠れなくなることも・・・。軽くつまめて、なおかつ消化のいいもの(カステラなど)を常備しておくといいでしょう。

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異食

身の回りにある物を何でも口にしてしまうのは満腹中枢が侵されている、味覚の働きが低下している、あるいは食べられる物とそうでない物との区別がつかないなどの理由が考えられます。異食に気が付いた時点で別のもの(飴など)と交換してあげると、口にしたものを出してくれるはずです。また、異食の1つ「糞食」を目撃すると、つい気が動転してしまいがちですが、そのような態度に本人も呼応するかの如く困惑・興奮します。そうなると窒息や誤嚥の危険性も出てくるので、如何なる物を口にしていても、まずは落ち着いて対処しましょう。もし、危険なもの(タバコなど)を飲み込んでしまっていたら牛乳や微温湯を使ってなるべく早く吐かせてください。病院へ移送するまでの間は左側を下にし、吐きやすい姿勢をとらせます。また、このような事態を避けるためにも、危険なものは本人の行動範囲から取り除くことが大切です。

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物盗られ妄想

認知症の方が「お金を盗まれた」などと騒ぎ出した際、たいてい最初に疑われるのは身近にいる妻か息子の嫁であるパターンが多いようです。毎日24時間、介護に忙殺されている家族にとって身に覚えのないことを疑われては身もフタもありません。しかし、このような場合でも興奮して言い返すのは禁物です。まずは自分の気持ちを落ち着かせ、なくしてしまった本人が一番困っているのだということを理解して、一緒に探してあげてください。これによって見つかるか否かに関わらず「自分に関わってくれている」ということで安心し、介護者を信頼するようになります。なお、探した人が見つけると「盗んでこっそり隠した」と疑われるので、必ず本人と一緒になって探しましょう。そして、見つかったら責めずに「良かったね」と一緒に喜んであげてくださいね。

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暴言・暴力行為

突然、興奮して手を振り上げ、家族を叩いたり、怒鳴ったりします。献身的に介護している人にとっては、まさに晴天の霹靂と言わざるを得ないでしょう。こうなるとつい「何をするの!」と怒鳴ったり、家族が一丸となって「ひどいじゃないですか!」と非難したり、あるいは力で押さえ込んだりしてしまいがち。でも、本人には暴力行為に及ぶまでの理由があるはずです。まずは家族みんなが落ち着いて、なぜ暴力を振るったのかを今一度考えてみましょう。何の言葉がけもなく介護行為をするなど、相手の自尊心を傷つけるような行為をしませんでしたか? 相手の意思を無視して、強引なことをやっていませんか? また、骨折や湿疹ができていて、そこを触ったから痛くて暴力を振るったということもあります。まずは暴力行為に及んだ原因を突き止め、冷静に対処することが大切です。

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