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認知症と間違われやすい状態

一口に「認知症」といっても原因となる病気がたくさんあるだけでなく、その状態も多種多様です。つまり、認知症とは異なる病気であっても同様の症状を示すこともあります。このような病気および状態の中でも、特に間違われやすいのが「ウツ状態」と「せん妄」です。

うつ状態

認知症が疑われる際、最も注意すべき症状の1つに「ウツ状態」があります。ウツ状態の場合はいっけん認知症と変わらない症状を呈することもあり、これが「仮性痴呆」と呼ばれるものです。高齢者がウツ状態に陥ることはしばしば認められ、約2割程度の方に何らかのうつ症状があるとされています。また、症状が多彩なだけに気付きにくい上、ウツ状態によって物忘れがひどくなることもあるので「歳をとって呆けてしまった」と間違われることも少なくありません。しかし、ウツ状態であれば薬によって劇的に改善します。近年の抗うつ薬は高齢者にも副作用が少なく、安心して服用できるようになりました。ウツ状態は高齢者が自殺する要因としても注目されていて、その予防という点からも適切な対応が求められています。

うつ状態と認知症の違い

 

うつ状態

認知症

発症前の性格

几帳面、生真面目

特定の傾向はない

初期症状

抑うつ

記憶障害

病気の進行

急に進む

ゆっくり進む

症状の訴え方

悲観的や自責感、自殺願望を訴える

楽観的で、深刻さがさほどない

抗うつ薬への反応

効果があり、症状が改善する

ある程度は有効だが、一定しない

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せん妄

せん妄とは身体疾患(急性の脳障害など)が原因となって引き起こされる軽い意識障害で、意識がぼんやりとした状態で動き回るほか、錯覚や幻覚、妄想、興奮などが加わった状態を意味します。その症状から認知症と間違われることも多いのですが、両者は本質的に異なったものです。まず、せん妄は発症時期が特定できるのに対して、認知症はそれができません。つまり、いつ発症したのかは本人のみならず、家族でさえもわからないのです。さらに、せん妄は症状が1日のうちでも変化しやすく、一時的に意識がはっきりするものの、認知症の場合は症状が一定しています。また、せん妄は元に戻り得ますが、認知症は元に戻ることがありません。

せん妄と認知症の違い

 

せん妄

認知症

意識

障害されている

おおむね正常

発症

発症時期が明確(数時間〜数日)

発症時期が特定できない

経過

一過性

持続性

症状の動揺性

あり

多少あるが、目立たない

精神症状

幻視や興奮などが多彩に認められ、なおかつ移り変わることが多い。

精神症状が出現することもあるが、持続性であることが多い。

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老化による物忘れ

 

顔はわかるけど名前が出てこない、どこに物を置いたのか忘れてしまう・・・年齢を重ねるにつれ、このような経験が増えてくるのではないでしょうか? 自分や家族の物忘れが目立ってくると、歳のせいだから仕方ないと思いつつ「認知症では」と不安になるものです。しかし、老化による物忘れと認知症による記憶障害は、はじめのうちこそ似ているものの、次第に性質の違いがはっきりしてきます。まず、記憶は脳に刻まれ(記銘)、一旦そこに維持されて(保持)、必要なときに思い出す(再生)という3つの過程から成り立っていますが、老化による物忘れは、このうちの「再生」がうまくいかなくなることで生じるものです。しかし、認知症の場合は全ての過程が障害されるため、記憶が脳の中に一度も入ることがないまま失われていきます。そのため「食べたもの」を忘れるだけでなく、「食べたこと」自体も忘れてしまうのです。さらに、忘れていることを他人に指摘されても思い出すことができないうえ、全く身に覚えがないことのように感じられるため、訂正されても納得できません。このように記憶がスッポリ抜け落ちていて全く思い出せない、しかも本人には忘れているという自覚が乏しいのが「認知症」というものです。

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